「王子!!」
「なんだ、何か用か?」
「はい!今回の戦の相手の国が決まりました!」
「どこの国だ」
「テムラ王国です!」
テムラ王国………
土地はまぁまぁいいが
ムンギリア王国よりは貧しい国
しかし土地が広い
「そうか…」
「どうなさいますか?」
「分かっているだろう?」
「かしこまいりました!!」
自分の国の利益があるところは
潰す。
「王子!いつ潰しになられるのですか?」
「今日だ」
*ーーーーー*
「美鈴…悪いがスープをつくってくれんかの?」
「うん、いいよ」
「悪いねぇ…」
「そんなことないよ」
私はキッチンに向かった
じゃがいも、にんじん、玉ねぎなど
ある程度の食材を手にもち
まな板に置いた。
「今日もおいしいの作るからね!」
「ありがとう…」
〝ありがとう″なんて…
私を拾ってくれたおばあちゃん
私を拾ってくれてありがとう…
感謝しきれないよ
そう思い野菜を切っていった
ー第一章ー
*美鈴視点*
「ムンギリア王国が攻めてくるぞ!!」
「ムンギリア王国が潰しにくるぞ!!」
「みんな逃げろ!!」
ねぇ……
テムラ王国は対抗しないの?
ムンギリア王国の獣人に
潰されておしまい…?
窓から見える光景は人々が
荷物をもって逃げる光景のみ。
「美鈴……おまえもお逃げ」
「おばちゃん、私はずっとおばちゃんの元にいるからね」
おばちゃんは私のたった一人の家族
親に捨てられた私を
引きとってくれた命の恩人
そんな恩人を見捨てる訳にはいかない
「おばちゃんが死んだら私が死んだのと同じだから悲しい顔をしないで?」
「私の病気で美鈴が死ぬなんてダメじゃよ?」
おばあちゃんが
とても悲しそうな顔で
私を説得した
でも…
「美鈴には鈴音の未来が……」
「おばあちゃん!私の恩人を見捨てたら一生後悔するからダメなの!」
一生後悔するよりマシ
そう訴えるような口調をした。
「美鈴……ごめんね…ごめんね…」
「謝らないで、私まで悲しくなるわ」
ムンギリア王国が攻めてくるのは
たぶん今日だろう
そのときには
もうこの国には人がいないだろう。
もう時間の問題
しかし私の勘は間違っていた
*リコル視点*
「うわあああ!!!」
「ほらほら!物足りないぞ!?」
「助けてくれ!!」
「答えはバツだ!」
ザクザクと人間を
切り裂いていく
楽しくてしょうがない!!
逃げ遅れた人間どもの
愚かさが情けなくて
そいつらを切っていくだけで
楽しい。
何人か切ってるうちに
腹が減ってきた。
そうだ
この国の住民の家で
ごちそうになろう。
適当に家を見つけて
ドアを足で蹴り飛ばし
家の中に入っていった。
中を入って行くうちに
美味しそうなにおいがした。
どうやら
まだこの状況をわかっていない奴が
いるのだろ。
しかし今は腹が減った
とにかく
においのするほうへと向かった
いた……。
一人の人間が
スープらしきものを
つくっていた。
その人間の後ろに足音なしに
近づいた。
そしてーー……
「おい」
「あら、私を殺しに参りましたの?」
人間は驚きもせず
スープらしきものを作っていた。
は?なにいってんだ、こいつ
「私を殺す前にこのスープを作ってから殺してくださる?」
その声は震えることなく冷静に喋っていた。
奇妙な人間もいるものだ
しかし俺は腹が減った……
だから素直に待つことにした