②

「おっ! みのもんた、今日もがんばってるなあ」

「とてもそんな気分になれません」

 妙に爽やかな尚樹とは対照的に、朝からぐったりと疲れきった表情の貴之。

 美葉はというと、夢中で朝ごはんに食いついている。
 貴之の脳裏に浮かび上がる<美葉はただの食いしん坊>説。

「美葉は今日どうする? おれ達は仕事だけど」
 美葉が食事を済ませたのを見計らい、尚樹が問いかける。

「二人とも?」

「ええ。店、二人しか従業員いないもので」

「そうだ、美葉も働いてみる? ウェイトレスとして」

 尚樹の思いつきの提案に、美葉はまんざらでもない表情をした。