どうやら、彼女はこの騒ぎで目を覚ましたわけではなく、扉の向こうから漂う朝食の匂いに反応したらしい。

 尚樹が美葉に駆け寄り抱き起こす。
「おはよう。腹減ったろ? ご飯出来てるから、居間に行こう」

 寝ぼけてふらつく足で歩く美葉を支えながら、ドアの所まで来ると、尚樹はキッと貴之を睨みつける。

「この野蛮人!!」

「だから、なんだそのキャラ!」