「先ほども言ったように、仮定であって確信の持てる話ではない。
 つまらない戯言として聞き流してくれれば結構だ」

 龍星らしからぬ発言に、なんと相槌を打ってよいか見当もつかず

「ああ」

 と、雅之は曖昧に流すことしかできない。

「で、今毬は?」

「我に返った後、気を失って今は寝ている」

「ついていてやらなくて良いのか?」

 ここ十日間毬が寝込んだ折には、龍星はなるべく時間を空けて毬の傍に居ることに注ぎ込んでいた。
 それを知っている雅之が心配げに口を開いた。