「春風ちゃんに何て言おう……」

「いつもどおりに、話しかければいいんじゃよ」

 だけど、それじゃあ、春風ちゃんを騙す事になる。

 そんなのは、嫌だ。

「春風ちゃんを騙すのは、嫌か? じゃが、残り少ない命の春風ちゃんの今までの日々を、おぬしとの日々を無常にも打ち砕く権利はもぬしにも無いぞ」

 確かに、そうだ。

 これを言ったら、確実に壊れるし、春風ちゃんを傷つける事になる。例え、騙してもそれだけはしたくない。

「心を決めたようじゃな。なら、早く行ってやることじゃ」