「くっ――うっ――ゴホっゴフっ――」

 え? いきなり春風ちゃんが身をよじり、苦しそうに表情を歪めたかと思うと、咳き込み、吐血した。

 生暖かい液体が体にかかる。

 だれかを呼ばないと! だれを? 決まっている! 決まっているのか? こういう場合は救急車だ! 

 自分で自分の頬を引っ叩き、乱れ切った思考を強引に正す。

 そして、ナースコールを押した。

 後は、看護士さんが来るのを待つだけだ。

 違うだろ! 俺ができることをやらないでどうする!! くそ、まだ思考が乱れてやがる。