「見ろよ、もっと見ろ」
ヨクの男らしい声がした。
全身濡れて色気たっぷりのヨクと目が合う。
あまりの美しさに目をそらしそうになった。
まるで心臓をわしづかみされたような気分だ。
「俺だけを見ろ………もっとドキドキして……………俺だけしか考えられなくなれ」
全身がカーッと熱くなるのを感じた。
こんなことを言われたのは生まれて初めてだから、ドキドキしすぎて何も言えなかった。
「―――…ごめん、困らせた。俺がただ嫉妬してただけなんだ」
ヨクは頭上のタオルを首に掛けると、か細く笑った。
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