「何?」
「いや、玲奈も大人に
 なったなって、思って。」
「ふふ。そうね。
 この一カ月で
 随分変ったわ。」
「俺も。一か月の話、
 聞かせてくれよ。」
「いいわよ。私の一か月の
 タイムスリップ生活
 聞かせてあげようじゃないの。」


腕を組みながら自慢げに
玲奈は言う。


「聞く聞く。」


玲奈は俺が腰かけている
ベンチの隣に座った。


「うわ、眩しい。」


俺は目を閉じた。
目を閉じても
眩しさがわかる。

今日の日差しは、
マチさんが
タイムスリップしてきた、
あの日と
同じように、眩しかった。



END