俺は初めて日記を書いてみた。 あの日の出来事を、 俺がお爺さんになっても 忘れないために。 初めて書く日記は、 なんだか詩人のようで 恥ずかしい 出来になってしまった。 今でもマチさんとの日々は 夢だったのではないかと、 疑うくらいだが、 脳みそには、 あの日の記憶が はっきり残っている。 確たる証拠がなくても、 俺の中であの日の思い出は、 確かに刻まれていた。