彼女は、世の中に本当に
不幸な人など、誰人もいないと、
そう伝えたかったのだろう。

彼女の心は、誰よりも
美しくて奇麗だった。
美しすぎる心は、
俺にとって泣けるくらいに
眩しく思えた。

自分が不幸な
人間ではないと
思える彼女は、
誰よりもきっと
輝いている。

そんな彼女を
引き留める理由が、
どこにあろう。

俺は、もうこれ以上
マチさんを
引き留めることは
できなかった。


つまり、彼女とお別れを
する道を選んだ。