「気持ちだけは、受け取ります。」
「え?」
「私だって平和な世界で、
 いつまでも幸せに暮らしたい…。」
「ならいいだろう!?
 別に帰らなくても。」
「そういうわけにはいきません。
 ここにいても、本当の幸せは
 手に入らないのですから。」


幸せが手に入らない…?
何故だ。
彼女の言うことが
ますますわからない。

戦争中の国に帰っても、
幸せなことなど、
何一つないじゃないか。

空にはたくさんの飛行機に、
たくさんの爆弾。
戦時中の人々は皆
死と隣合わせで生きている。

明日も無事に生きられるか、
わからない時代に戻っても
意味があるのだろうか。