「ホームページ見たんでしょう?
 深夜の二時にしか現れない
 不思議なお店。この機関車は、
 タイムスリップ屋の物さ。」
「は、はあ。」
「まあ、派遣みたいな感じよ。」


派遣と言われても…。
女の人は、マチさんを見て
にこりと微笑んだ。


「そうか。待っていたよ。
 三つ編みの子でしょう?
 この汽車を必要としているのは。」
「はい。」
「だったら、乗りな。
 もうすぐ出発するよ。」
「ありがとうございます!」


マチさんは、喜んでそう答えた。
女の人の誘導でマチさんは、
機関車の中に入ろうとする。
しかし、俺は彼女の腕をつかんだ。


「望さん…どうしたんですか?」
「やっぱりやめよう。帰ろう。」


自分でも無茶なことを
言っていると感じた。
だが、ここまで言ってしまったら、
もう止められない。