四月十日の夜中一時過ぎ。
今日がその運命の日である。
夜中の二時に東京都心の公園に
行けばいい。場所は特定されていないが
行ってみれば、わかるだろう。
一番の定番と思い、渋谷に向かった。
マチさんと俺は、終電前の電車に乗り、
渋谷の駅に到着していた。
もう少しで二時になるから、
俺たちは渋谷の公園に向かって
歩きだす。
「ここは、建物が高いですね!
見上げていると、首が痛いです。」
「俺が住んでいるところより、
遥かに都会だからね。」
「私たちの時代では、考えられない
ことですよ。」
「まあ、そうだろうな。」
俺は正直不安だった。
本当に、汽車なんか、現れるのだろうか。
それに、もし現れたとしても、
マチさんは、そのまま帰ってしまう。
帰れたらいいと思っている反面、
帰らないでほしいと思っている。
「着いた。」
「本当に汽車は
現れるのでしょうか。」
「…信じてみよう。」
俺たち、二人は公園で静かに待っていた。
流石に深夜だから、この公園には
人は誰もいなかった。
うとうと眠気が襲ってくる。
意識が飛びそうになった。
そのとき、
突然眩しい光が公園全体を包み込んだ。