「マチさん、未来人の俺から
 こんなこと言うのは、おかしい
 かもしれないけれど、戦争のために
 捨てていい命なんて、ないと思う。」
「え…」
「お国のために死ねるなんて
 思っちゃいけない!
 国よりも、人の命の方が
 大事じゃないのか!?」


マチさんは、真剣なまなざしで
俺の話を聞いてくれる。


「戦争のために、自分の命を
 喜んで差し出すなんて、
 おかしいじゃないか!」
「…本当は、わかっていたんです。」
「え?」
「心のどこかで、そんな考えは
 おかしいって、いつも思って
 いました。」


マチさんも、俺と同じような
考えを抱いているという。
それならなぜ…。