「た…達宗さん。」
「た・つ・む・ね・さん?」


広美の迫力に押されて、つい
名前を言ってしまった。


「なんだか、古臭い名前ね。
 ね、その人何歳?」
「17歳だよ。」
「私たちの一個上なんだ。
 かっこいい?」
「もちろん!」


力強く言うマチに、今度は
広美が驚かされた。


「すっごく好きなんだね。」
「えっ!?や、やだ…私ったら。」
「ふふふ。なーんだ。望くんでも
 悟くんでもなくて、達宗さんって
 いう人なんだ。年上かあ。いいね。」


にんまりと笑う広美に
戸惑いながら苦笑いするマチ。


「ねえねえ、達宗さんとは
 どうやって知り合ったの?」
「知り合ったというか…
 幼馴染だったの。」
「へえ!」


マチは、達宗のことを思い出しながら
嬉しそうに語った。