「だって、どう見ても、あんた
望くんのことが、好きそう
だったじゃない!」
「…そんなこと言われても。」
「じゃあ、マチには好きな人も
いないの?」
広美の言葉を聞いて、
マチは、ある人の顔を
思い出した。
「その顔は…いるんだ!誰!?」
「ち、違うよ!」
「隠しても駄目!私には、
お見通しなんだからね!」
マチは顔に出てしまったらしく、
広美にバレてしまった。
しかし、マチの想い人の名前を
言ったところで、広美が
知るはずもない。
「ひ、広美さ…広美の
知らない人だよ。」
「なーんだ。知らない人か。
名前なんていうの?」
再び、「つまらない」といった
表情をした広美だったが、
頬杖をついて、聞いてきた。