「で、どっちなの?」
「え?」
「あんたの好きな方は、望くん?
それとも悟くん?」
「…好きじゃないけど?」
「何言ってるのよ!一緒にいて
恋愛感情がないとは、
言わせないわよ?」
マチは、非常に困り果てていた。
出会ったばかりの二人に
恋愛感情など、抱いていない。
しかし広美には、通用しないのだ。
広美にとって、マチは、長年
付き合ってきた親友であるから。
周りからも、望とマチが
付き合っていると噂されている。
「私は、望さ…くんも
悟くんも、大切なお友達だよ。」
「友達!?…望くんと付き合ってる
わけじゃないの?」
「まさか…。」
「はあ」と盛大にため息を
ついた広美。その目は
「つまらない」とでも言いたげな
顔だった。