あれから、マチさんと話し合った。
結局、マチさんを学校に
行かせることにした。
マチさんが、玲奈の代わりとして
学校に行けば、さしたる
問題はないだろう。
周りが、マチさんを玲奈だと
思い込んでいるから。

だから、もちろん俺とマチさんが
付き合っているという噂も、
流れている。
この世界では玲奈=マチさんだ。
だから俺の幼馴染もマチさん。
ただ、悟は玲奈のことを
唯一覚えているから、考え方も
変わってくる。
だが、もし悟の記憶から玲奈が
消されたら、悟の好きな人は
マチさんになるのだろうか。


「望さん?」
「ん…?あ、ごめん。考え事してた。」
「大丈夫ですか?」
「平気平気。」


マチさんが、俺の顔を
覗き込みながら、聞いてきたから
俺は、すぐに我に返った。


「ぼーっとするなよ、望。
 これから玲奈の家に行って
 マチさんが制服に
 着替えるんだから。」
「ああ。悪い。」



そう、これから玲奈の家に行き、
マチさんに制服を着せて、
学校に一緒に登校するのだ。


「大丈夫でしょうか…私
 未来の学校なんて…不安で。」
「俺たちがフォローするから、
 大丈夫だよ。」
「そうだよ。任せろって!」
「はい!」


不安そうな表情を、少し残して
マチさんは、小さく微笑んだ。