俺は、どこにでもいる
男子高校生だ。
しかし、優等生ではない。
頻繁に授業を中抜けして
しまうような男だ。
髪の色は茶色。
けれども、集団で中抜けを
するよりも、俺一人で
出ていくことも多い。
俺は、今日も
授業を中抜けするつもりだ。
何故こんなにも、
不真面目なのかと言うと、
学校が好きではないからである。
別に嫌いというわけでもないが、
何のために授業を受けるのかも、
わからない。
だから、俺は学校がどうしても、
好きになれなかった。
ただ毎日が、なんとなく過ぎていく。
人生なんて、子孫を残して死ぬ。
それだけだ。
我ながら、なんて、つまらない
生き方をしているのだろう。
俺は、いつも寂しいことに、
そう思っていた。
おぎゃーっと生まれて、
おせっかいな家族と
暮らして、やがて誰かと結婚して、
子どもができて、父親として生きる。
そして、その子どもが、子どもを産む。
気が付いたら、おじいさんになって
気が付いたら、死んでしまって天国に。
俺は、自分の人生に生きがいなど、
感じたことは、なかった。
これからも、こんな感じで、
ただなんとなく生きていくだろう。
俺は、授業を受ける気にもなれず、
いつものように裏庭のベンチで
昼寝をしようとして、外に出た。