「昭和時代って、本当か!?」
「うん。場所は東京なんだって。
でも私たちが住んでる東京には
思えないわ。最初は、映画の
撮影の舞台かと思ったけれど
本物の昭和時代だった。」
自分で、説明しておいて、
未だに、これは
夢なんじゃないかと
思ってしまう。
「タイムスリップってことか?」
「そうだよ。そんな感じ。」
「そんな感じって…玲奈が
一番タイムスリップとか
信じてなかったじゃんか!」
「でも、私がタイムスリップ
しちゃったのは事実だもん。」
確かに、マチさんが
平成時代に、来たときは、
正直信じていなかった。
しかし、自分がこんな目に
遭うのならば
話は別だ。
「玲奈、今いる時代って
昭和何年くらいだ?!」
「それが問題なのよね。
実は…昭和20年なの。」
「それって、私が、ここへ来る前に
いた時代です!」
「本当か!?」
電話ごしに、マチさんの
声が聞こえた。
そう。私が今いる時代は、
戦争真っただ中の、一番
危ない時代というわけだ。