私を抱いて、泣いている
シズさんの母親。


「玲奈、生きててよかった…。」
「あの、お母さん、その子は
 娘じゃないでしょ?」
「シズ、何言ってるの。
 どう見ても
 玲奈は私の娘でしょ!
 玲奈、けがしてない?
 どこか痛いところとかない?!」
「だ、大丈夫です…。」


わけがわからない。
何故この人は
私の名前を知っているのだ。
昔からマチさんの存在が、
私であったかのようだ。


「大変!達子さんにも、
 玲奈が帰ってきたって
 知らせなくちゃ!
 達宗くんにも、知らせて
 こなくちゃ!」


そう言って、シズさんの母親は
ダッシュで、家を飛び出た。


「ど、どういうことなの?」
「…さっぱり。」