「あと、帽子もなるべく
 かぶっていて。髪の毛の色、
 派手だから。」
「そうだね。」


達宗さんが、
かぶっていたような
ぺちゃんこの帽子を借りた。
髪の毛の色まで、
考えていなかった。
こんなに明るい茶色だと、
確かに怪しまれる。


「もうすぐお母さんが、
 帰ってくるわ。」
「う、うん…なんか緊張する。」
「大丈夫、私がなんとかして
 ごまかすから。」
「でも未来人だなんてことが
 バレたら、私どうなっちゃうのかな。
 捕まったりするのかな…。」


不安げに言うと、
シズさんが
「大丈夫」と、
言って頭を撫でた。