『みんな心配してっから戻ろ』 「うん」 前を歩く優斗の広い背中。 あの時見た後ろ姿より今はたくましくて大きく見えた。 ずっと追いかけてきた後ろ姿なんかよりもずっと。 バカで鈍感でお気楽な人間であの頃と何一つ変わってなんかいない。 けれど確かに優斗は成長していた。 あたしよりも大きく。 頼れる人間に。