そんなことを考えているうちに、眠ってしまったらしい。


僕は甘い香りと、


唇に何かが触れた感触で目が覚めた。


目を開けると、まだ雨は降っていて


僕の目の前に花柄の小さな傘。


そして僕と同じくらいの女の子が立っていた。


僕はまだボーッとしていて


目をこすることしかできない。


そんな僕を見てニッコリ笑う女の子。


視界はまだボヤけていたけれど


その笑顔だけはハッキリ覚えている。


僕はそのとき初めて


キュン。


って感情を覚えた。