神社につくと、早速神社にある木という木を端から端まで見て回った。
大きな大木も、小さな枝に至るまで。
でもなかなか見つからない。
いるのはせいぜい煩い蝉だけだ。
「いないなー・・・」
僕はボソッと呟いた。
その後も探し回ってみたが、結果は同じだった。
「つかれたー!」
カブトムシ探しに飽きた僕は
拝殿の日陰に腰を下ろした。
それを見計らったように、大粒の雨が降り出す。
「わー・・・。雨だ・・・」
僕は雨はあまり好きではない。
外で遊ぶことも出来ないし、
ベタベタになって帰ると母に怒られる。
いいことなんてひとつもない。