「しおり先輩」

「え?」


ぼんやり茉樹くんを見つめていると、彼はどこか違う所を見つめて、言った。



「・・・学校まで、一緒に行きませんか」




何故か、嬉しくなった。


「うん!!」



満面の笑顔で答えると、茉樹くんも優しく笑った。



その笑顔は、とても春らしくて
心が満たされていく様だった。