私は正ちゃんの顔を

見ることができなかった。


「正ちゃんが・・・

悪いんじゃないってわかってるよ?」



「…心音」


「でもね・・・

今は、正ちゃんに

笑顔で顔が会わせられない」



「心音、ゴメン・・・」



「だから言ってるじゃん。

少しだけ、時間を頂戴?」



「…オレは心音しか好きじゃない」


・・・そんなの、

わかってるよ。


私だって、正ちゃんしか好きじゃない。


私は、


やっぱり子供だね・・・


簡単に許すこともできないんだもん。


・・・

私は、正ちゃんに背中を向けたまま、

家に入って行った。