「心音、違うんだ」


「・・・」


心音はポロポロ泣きながら、

走って行ってしまった。


オレも、心音を追いかけて、

走り出した。



「待てよ!!」


優がオレを止めた。


「離せよ!」


「お前、最低だな。

心音をお前には絶対やれねえ」


捨て台詞をはいた優は、

心音を追いかけて走り出した。


・・・

最低。

そうかもしれない・・・

不意打ちでも、

止めることができたはずなのに。

・・・

オレの走る足は止まったまま、

動くことができなかった・・・