「これ、落ちたよ?」

手帳を渡したら、

女の子の手から手帳が滑り落ちた。

・・・

手帳が開いて、

『石田 心音』

と名前が見えた。


「石田…心音?さん?」


「そうですけど・・・ありがとう」


心音ちゃんって言うんだ。

可愛い名前だな・・・


「あ、いえ・・じゃあオレはこれで」



「あの・・・」



「?なにか?」


「いえ・・・別に。それじゃあ」


心音はそそくさと俺たちと反対方向に向かって、

歩き出した。