「…お前何様だよ。」
龍が静かにつぶやく。

「龍さん…!これ以上美花を刺激しないで下さい!お願いします。この子病気になってから情緒不安定で…」

お母さんが頭を下げてお願いするも、龍はやめようとしない。

「病気だから、何してもいいのかよ?お前のお母さんが今日どんな気持ちでお前に会ったのか知らねーのか?まぁ分かるわけねぇよな。なんたってお前の中はまだ子供だもんな?」

煽ってる


これはチームに居たときに身についていた直感だった。

これには乗らないのが身のためだ。

「そーですねー。」

あたしは、わざと気の抜けた返事をしてやった。
龍は自分の煽りにあたしが便乗すると思っていたのか、顔に戸惑いの色があった。