「あたしってやっぱ薄情者だね」


「美花…」



「こんにちは!」

え?

それは振り返らなくても分かるあの人の声だった。


「…龍。」

「おぉ!美花!なかなか見舞い来れなくてごめんなー」

今、今!
あたしはあなたを知らないとお母さんに言ったのに!

「あ、この方よ。美花…知り合いじゃないの?」


お母さんの表情が険しくなった

「ごめん、お母さん。この方だって知らなくて。嘘言った訳じゃないの」


「なんの事?」

龍はキョトンとした表情で聞いてきた