「ごめ・・・。」

「何?」

「帰って・・・」


これ以上、龍には踏み込めない。
たとえ天狼を引退した・・・まぁ脱退という感じかもしれなかったけど。

そのあたしが、

そのあたしは、今。

グループのきまりを破ってしまった。


これは、

あたしが肺ガンという病にかかってからのしかかる

初めての不安だった。


「お前さぁ、嫌なことあると全部「帰って」って逃げようとするよな。」

「・・・」

「だから、お前は病気になっても回復しねーんだよ。」

「な!・・・」

「お前は病気から逃げてる。容姿は美佐に似てるが中身は断然あいつのが強い。」

「!」