「んだよ・・・」


あたしを見る冷たい目。そうよ、あたしは他人からこんな目で見られる存在なの。仕方ないじゃない。

「明日も来る。」
「来ないで。」

「あ?」

美佐さんの事思い出したくて来てるならあたし病室変える。
あたしは龍と目を合わせないように窓の外を動いていく時間を静かに眺めた。
いやぁ、だって会ったらいけない気がするもの。本能で。あたしが幹部の頃持ち合わせてた本能でそう感じるの。

「なぁ?なんで?」

龍は苦しそうに顔を歪めた。
やっぱ、あたしとあなたは知り合うべき人間じゃなかったのよ。

「んでだよ!!!」

変わらず無視をするあたしを見て龍が怒鳴りつけた。

その言葉にビクっとふるえたあたしの肩。
それを見た龍がハッとしたようにあたしの肩に触れた。
いや、真面目にびっくりしたんだよね、これw

「ごめ・・・俺・・・。とりあえず明日落ち着けて来る。話がしたい。」
「・・・。」
「最後でもかまわねぇ。だけど明日話がしたい。」
「・・・。」
「じゃぁ、また明日来る。」

「美花ちゃん・・・」由香さんが気まずそうにこちらを向くのが気配で分かった。
「あたしがでしゃばったばっかりに怖い思いさせてごめんなさいね。龍はあんなだけどとても優しい子よ。明日はあたし来ないから・・・龍と話してやってね、あれでもあの子、不器用だから・・・」