「なんで?え?美花!?」

オロオロする龍。今回ばかりは理由が分からないといった感じだった。


「いや。違う。」

あたしは、きっぱりとさっぱりと言い放ってやった。


「美花・・・悪かった。なぁ、俺が怖い?」

いやいや!逆に血が騒ぎ始めてますよ、お兄さん。
そこには(どうか否定してくれますように)といった表情が丸分かりだった。
「ううん・・・今日は帰って?」

あたしは精一杯の笑顔を見せた。

でもきっと顔は引きつってたんだと思う。
だって、なんかこれ笑顔を見せた瞬間大爆笑してしまいそう。

「美花・・・」

龍が心配そうにあたしの顔をのぞきこんだ。



「大丈夫。早く・・・帰って・・・。」

引きつり笑顔のままそういうのが精一杯だった。
なんか、これ以上踏み込んじゃいけない気がした。
あやうくあたしの状態を忘れるトコだった。
あたしは、静かに「My life」を終えるだけ。
そうよ・・・誰からも愛を、友情をもらっちゃいけないの。

そう言い聞かせてあたしは窓の外を眺めた。

じゃなきゃ、今この瞬間も「ぶ!」と吹いてしまいそうだ。