小学生の時そう言ってたのを今でも鮮明に覚えてる。
「もう少しお金が貯まってれば・・・美花を生まなくても良かったのかもしれない。」
お母さんは確かにそういった。
でも、その言葉とは裏腹にあたしをちゃんとしつけてくれた。
いい点数だと喜んでくれたし、
たくさん旅行もつれてってくれた。
だから、あたしは人間は信じちゃだめだと思った。
お母さんもお父さんも憲法で守られてる義務を果たしてるだけであたしの事はなんとも思ってない。いつの時もそう自分に言い聞かせてた。
「いる。あと10分あるから。」
気づけば、龍はそう言ってた。
「好きにして。」
もう、何かが面倒になったあたしはそういった。
「分かったここにいる。もう誕生日は聞かねぇ。今日は26日だし来月の7月26日が美花の第2の誕生日な。その日は誕生日プレゼントでも持ってきてやるよ。」