あたしは、龍にそう言った。

単語くらいしか言わなかったけど龍は「そうか。」と言ったきり黙ってしまった。


あんたも、どーせ亡くなった彼女とあたしを重ねてんでしょ。


んで、こいつが彼女だったら俺もっとしてやれたかもしんねぇ。って悔やんでるんでしょ。

人間って、そーゆーもんなんだけど。


「俺、昨日美花の事美佐っつったじゃん？」

龍は静かにそう口にした。

「美佐は、お前と違って子宮頸癌とかゆー病気だったんだ。んで、まぁ。ガンはついに全身に転移して。医師は余命を半年って言いやがった。まぁ美佐はただでさえ体の弱い奴だったからな。医師もそれを把握してたんだろうな」

龍はあたしに言うって感じじゃなく、自分に言い聞かせる、そんな感じだった。

「ふぅーん」

あたしはわざと気のないふりをして話の続きを聞いてた。

「でも美佐は１年も生きた。最期は笑いながら龍、由香さんありがとう。っつってたよ。涙も流してたっけなぁ。」