「だんまりですか・・・」

半ば諦めたような声が病室に響いた。

まぁ、こいつは病室まで運んでくれたし、なんらかのお礼はしなきゃなんないんだと思う。

窓を向いてたあたしは龍のほうを向いて話しかけた。

「あのさ。」

いきなり口を開いたあたしにびっくりしたのか、「へ？」とまぬけた声を出した龍。

「さっきは、ありがとう・・・ございました。」

一応、ためで話す仲でもなかったからお礼は敬語で言った。

そして龍は、なんだそんなことか。といった感じの顔をすると「どういたしまして！」と笑いかけてくれた。

あたしは、その笑顔を見るとまた窓に視線をやった。


「しつこいかもしんねーけどさ・・・「ガン。肺ガン。余命は２年。」