「安川さん!!!どうしました!?」

「痛い・・・」

あたしは、それを言うのが精一杯だった。

龍はその間もずっとあたしに付き添ってくれて、心配そうに顔をのぞきこんできた。


医師が抗がん剤やらなんやらを用意してなんか頑張ってた。


もぉ。無理。抜け出したい。

生きてもたいした未来がないあたしはこの場で死んでもいいや、って思った。

薬が体内に入って痛みが治まった頃、いままで黙ってた龍が口を開いた。


「お前の病気ってガン?」

よくも、病人にそんな事がきけるよな。って思った。
マジおかしいんじゃねーの。とも思った。

でもあたしは、雨が降る空を眺めたまま無視を決め込んだ。