なんのためらいもなくあたしに名乗る龍って奴。
どーでもいいんだけど、とりあえずどけて。
早く病室戻ってナースコール押したいんだから!!!
「そう。んじゃーね。」
あたしは、軽く別れを告げて痛みをこらえながら病室に向かって足を進めた。
「ちょ!待てよ?」
龍はあせった様に言ってあたしの肩を支えてきた。
そっか、美佐って子で慣れてるもんね?
つか、あんたとあたし知り合いでも親戚でもなんでもないんだからどっか行ってよ。
なんて、言いたくても激痛が襲ってきてる今この支えは結構ありがたかった。
病室につくと、龍は迷わずナースコールを押した。
なんて、慣れてるんだろう?
必死に痛みを隠したのになんで分かったんだろう?
いろんな疑問が頭を行きかう。
でも、やっぱ痛みには勝てなくて。