「もぉ。やだぁ。」

痛みは一向に良くなる気配はない。

痛みを我慢するために力んでたのか、額にじわじわと汗が出てきた。
それを、ふき取るようにさっき看護士さんに絞ってもらったひんやりと冷たいタオルを額に当てた。

それでも、痛みは直らなくて。

どーでもいいから、早く病室帰ってナースコール押そう・・・。


そう考えて立ち上がろうとした時、

「はぁッはぁッ。どこ行ってたんだよ??」

と昨日聞いたことのある声が聞こえた。

「誰・・・よ?」

痛みが一向に直らなくてもこいつにだけは弱みを見せられない。

誰?とは聞いたけどあんな印象的な奴1日で忘れるわけもない。
静かに窓を見てたらいきなり「美佐は?」とか言い出すし。

絶対頭悪いだろうし?

「俺、昨日来るって言った龍。」