「大丈夫ですか?手伝いますよ?」

トイレの掃除をしに来たであろう看護士があたしに声をかけた。
ここで強がっても自分の力でできないと思ったから、あたしは頼む事にした。

「・・・お願いします。」

看護士はニコッと微笑むとタオルを絞ってきれいに畳んだ。
そしてあたしに「どうぞ」と渡してきた。

「ありがとうございます。」

そう言ってゆっくりと病室まで歩いた。

健康な人なら・・・って何考えてんだろ、あたし。
そんな事考えたって意味ないのに。

その時、激しい痛みがあたしを襲った。

「う・・・・。」

苦痛に顔を歪めるも、ここは病室じゃない。
ナースコールも押せない。どうしたらいいの?

「痛いよぉ・・・」

とりあえず、落ち着かせるために廊下のわきに座った。

看護士さんが見つけてくれるかも。
早く・・・早く来て・・・。