女の人はしみじみ。と言った感じであたしの方を見た。

だいたい世界中探したら似てる人なんてめずらしくないでしょ。
あたしは窓から女の人に目を向けて聞いた。

「なんなんですか。あんた達。」


「あ、ごめんなさいね。あたしは由香。こっちは弟の龍。勝手に入ってきてしまって本当迷惑だって分かってるわ。でもあなたがなんか美佐ちゃんに・・・「るせぇ。」

さえぎったのは龍って奴。

人の病室入ってきて「るせぇ。」だと?
こっちはお前が入ってきた瞬間から思ってんだよ。

というのも面倒なので無視して窓を見た。


【肺ガン】・・・か・・・。

いつになったら抗がん剤の痛みから解放される?
いつになったらあたしのお迎えは来る?

ねぇ。誰か教えてよ。


由香と龍はまだ何か話してるっぽかったのでマジで帰ってくんない?とか思いつつ窓を眺めてた。

最期ってどんなふう?

「おい。」