あの女………。


小倉由里が送り付けて来た封筒を握って、


俺は和成の仕事場へ向かった。


宮本和成・27歳。


俺の親友で一条コーポレーションの顧問弁護士


和成の家は代々、一条家の顧問弁護をしており


和成の父親は現在、


一条ホールディングス専属の顧問弁護士をしている。


今日は昼過ぎに時間を割いて貰って…。


コンコンッ―――――。


「はい」


「失礼します。先生、一条様がお見えになりました」


「通して」


「はい。………どうぞ」


秘書に通され、部屋の中へ。


「悪いな。忙しいところ…」


「ん、どうした?何かあったか?」


「ん?………あぁ……」


「杏花ちゃんとケンカか?」


「………」


「え?マジで!?」