俺らは極上の料理を堪能した。


残すは“デザート”のみ。


杏花はミネラルウォーターを口にしている。



「杏花、ちょっとごめんな?」


「え?…何?」


「ん?何だろうね?」



俺は徐に立ち上がり…


杏花は俺の行動を不思議そうに見つめている。


俺は杏花に優しく微笑み…


部屋の隅にある椅子に腰かけた。




フゥ~。


 俺は首を回し、


   指を解して…


     深呼吸。



そして、杏花が見守る中―――。



♪  ♪  ♪  ♪  ♪



白いグランドピアノで…


 jazz を演奏した。