その後会長宅へパンフレットを届け、杏花の待つ自宅へと戻った。
部屋に入ると、杏花は出掛ける前と同じく…
リビングで仕事をしていた。
本当…好きなんだな……。
これだけ楽しんで貰えると、
店をプレゼントして良かったと…心からそう思う。
まさか、俺が邪な想いで用意したとは…
微塵も思って無いだろうが。
「あっ!!要、いつ帰って来たの?」
「ん?さっき」
「ごめん。全然気が付かなかったよ。今何時?」
「もうすぐ18時」
「えっ!?そんな時間!?すぐ、ご飯作るね?」
「あっ、いいよ。杏花、疲れてるだろうから食べに行こう?」
「え?いいの?私…作るよ?」
「いいって。だから、着替えておいで?」
「……うん。じゃあ、待っててね?すぐ、用意するから」
「あぁ…ゆっくりでいいよ」
杏花はテーブルの上を片付け、着替えに行った。
さて、俺も着替えるとするか。
少しオシャレな格好に着替え、
杏花と共に…先ほどの店へと向かった。