仕事を終えて自宅へ帰ると、
杏花がリビングで仕事をしていた。
相変わらず、熱心に仕事をしている。
「ただいま」
「………」
返事が無い。
相当仕事に集中している様子。
ダイニングテーブルの上には夕食の用意。
いつもながらに家事は完璧にこなしている。
それだけに、文句も言えない。
俺は静かに近づき、ギュッと抱きしめる。
「キャッ!!か、要、帰ってたの?」
「さっきな。返事が無かったから」
「ごめんなさい。仕事に夢中で…」
「うん、いいよ。忙しいんだろ?」
「ん?でも、もうキリもいいし…」
杏花がテーブルの上を片付け始めた。
「すぐ、準備するね?シャワーでも浴びて来る?」
「あぁ、そうだな。先に浴びて来る」
俺は浴室へと向かった。