年が明け、杏花の仕事初めの日。
俺は杏花との約束通り、カフェへ迎えに。
すると、事務所へ入ろうとする俺に…。
「社長、申し訳ありません。宜しいでしょうか?」
「ん?」
「…はい」
俺を呼び止めたのはバリスタのスタッフだった。
俺は彼の後を追ってフロアへと。
すると、彼の口から思いもよらぬ事を告げられた。
『先程、店先でオーナーが蹲る様な格好を…』
心配そうに状況を詳しく説明する彼。
俺は胸騒ぎがした。
今朝、俺がこの目で見た光景と重なる。
やはり、杏花は具合が悪いのか?
杏花は何でも無いと言うが……。
俺は何故、気付いてやれなかったんだ?
胸騒ぎと共に罪責感に駆られた。
俺は家事負担を減らしてやりたいと思い、
それに杏花の好きな和食をと考え、馴染みの店へ。