漸く、俺のもとに戻った杏花。
俺は自宅へ到着すると同時に、
無我夢中で杏花を抱きしめた。
服の上からなのにも係わらず、
身体が激痩せしている事が手に取るように…。
力いっぱい抱きしめたいのに、
抱きしめたら折れてしまいそうなほど。
俺は悔しさと苛立ちと申し訳なさと、
そして何より、杏花はこれが“2度目”という
掻き消す事の出来ない不安が押し寄せてくる。
俺はここが玄関だというのに、
今すぐ杏花を全裸にし、確認して
心の底から安心したい衝動に駆られる。
けれど、杏花は俺のキス1つでふらつき始めた。
俺が思っていた以上に衰弱しきっている。
俺はふらつく身体を支え、優しく抱きしめた。
杏花は俺の腕の中で意識を手離し、
気持ち良さそうに眠りについた。