「杏花……。

俺の妻になってくれてありがとう。

この1年色々な事があったけど

今日を迎えられたのは

杏花がいてくれたから。

これからもずっと……

俺のそばにいて欲しい」


杏花の瞳からは真珠のような涙がポロポロ。


「要…ごめ…んね?…私……」


「ん?俺は杏花の笑顔がみたいな?」


「でも……」


「結婚記念日なんだから、嬉し涙以外は禁止な?」


「う゛ぅっ……ぅん…」


俺は指先で杏花の涙を拭った。


すると―――――。


 ♫ ♪ ♬ ♪ ♩ ♪ ♬


何処からともなく綺麗な音色


振り返ると、スタッフが生演奏していた。


杏花は更に感動したようで、


止まりかけた涙が再び…


桜色の頬に流れ落ちる。


口元を両手で覆い、


俺の顔を見つめて来た。