アラームが鳴る5分前に目が覚めた。


要を起こさないように…静かにアラームを切って。


キレイな寝顔を見ていたら、昨夜の出来事を思い出す。


………やっぱり、怪しい。


けれど“浮気”をしてる感じでもなさそうだし。


仕事で何かあったのかしら?


あの写真と彼女の事を聞こうとしたのに、


つい、聞きそびれてしまった。


だって……あんなにも苦しそうな表情を見たら、


私の悩みなんて小さ過ぎる気がして…。


要の過去の女に嫉妬し、その女の話を鵜呑みにして、


信じてるハズの要を疑うだなんて。


本当は今だって、不安で堪らない。


けれど、今は要を信じようと思う。


彼女の言った事は気になるけど。


昨日だってあんなにも愛してくれたんだもの。


“一条”の社長夫人となれば、


少なからず嫉妬や妬みを買う事もあるだろうし。


きっと彼女だって私に嫉妬して、


妬んでいるに違いない。


……きっと………そうよ……。